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2015年度基本方針

子どもの貧困化に向き合う居場所空間の創造を

関西こども文化協会は、「子どもの貧困化に向き合う居場所空間の創造を」を2015年度の活動基本方針としました。

活動指針を提案するにあたって

※以下、総会で示された図表資料と、それに対応する文は割愛

我が国が「国連・子どもの権利条約」を批准して21年が経過しました。

しかしながら、子どもの貧困率(16.3%)はOECD諸国でも低位にあり条約の趣旨が実態的に生かされていないのが現状です。一昨年には「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(通称、「子どもの貧困対策法」)が超党派による議員立法で成立し、「実施大綱」(閣議決定)に基づく施策が各地で始まっています。

このような状況のもと、子どもの権利を尊重する社会をどのように実現していくのか、どのような事業を実施し、子どもを取り巻く環境を改善していくのか、子どもの権利条約の実現に向けたさまざまな取り組みが必要となっています。

関西こども文化協会ではこの間、24時間いじめ電話相談事業、寝屋川市における親と乳幼児の「つどいの広場事業」、大阪市住吉区、東住吉区、旭区高殿における子ども若者の居場所事業、ドーンセンターでの保育事業、北星学園余市高校支援事業など乳幼児を含む子ども若者の居場所づくりに幅広く取り組んできました。また5か年にわたり京阪電鉄の支援の下「つくるところ」一時保育事業にも取り組んできました(2015年3月に閉園)。さらに、「民間人校長の在り方を考えるシンポジウム」を開催するなど、幅広い市民が教育問題にも意見を述べる機会を設けました。

現在国会では、不登校生徒への対応としての「フリースクール」の義務教育への制度化が検討されるなど、子どもの居場所と教育改革への関心が高まっています。
しかしながら、子どもの貧困対策をはじめこれらの施策が本当に子どもの居場所改革につながるのか、またどのような手立てが必要なのか、いま現場感覚での議論が必要になっているのではないでしょうか。

子どもの貧困化をめぐっての問題提起
-その1-貧困対策の前進面と問題点

子どもの貧困率は、平均所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合。厚生労働省が3年に1回実施する国民生活基礎調査からその数値は2012年時点で16.3%(前回比0.6ポイント増)で過去最悪です。

子どもの貧困は大人の貧困、社会の貧困を背景に発生しており、社会全体が格差化する状況と対応しているとみてよいでしょう。

実際に学校現場で課題になっている、いじめ・不登校・虐待問題。そして子どもの学力格差と低学力の克服問題などは、広く、親の所得格差や生活格差の問題として議論されるようになったことはこの間の大きな前進面です。

メディアも随時、子どもの貧困問題を取り上げ、自治体をはじめ政府も何らかの対応を示したのが今回の「子どもの貧困対策法」(議員立法)と「子供の貧困対策に関する大綱」の閣議決定です。
しかしここには、前進面と同時に遠くの問題が含まれています。

ここで「子どもの貧困対策法(通称)」を少し見ておきましょう。

第一条(目的)で、この法律は、「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子どもの貧困対策に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、及び子どもの貧困対策の基本となる事項を定めることにより、子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とする。」と明記しました(抽象的ですが主旨は大事なポイントを指摘)。

また第2条では、「子どもの貧困対策は、子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として講ずることにより、推進されなければならない。」と、国と地方公共団体に対する責務を明記したことも注目できます。

この法律に基づき昨年度、政府で実施大綱が決められ、本年度からは各自治体に置いても施策の具体化が図られようとしています。 建前は立派ですが、閣議決定された大綱による具体的施策になると、問題は結構大きいのです。

子どもの貧困化をめぐっての問題提起
-その2-貧困が子どもの心に及ぼす影響について(子どもの自己肯定感の低下)

子どもの貧困対策法をはじめ政府の大綱が一定の役割をもっていることは確かです。しかしながら、それらは極めて場当たり的であり持続性の乏しいものであり、その場しのぎの施策であるのです。そのことを踏まえつつもここで、貧困が子どもにもたらす影響について考えましょう。ここで我が国で早くから「子どもの貧困」に注目し発言してきた阿部彩氏(人口問題研究所)の提起を参考にしましょう。心理学では子どもの自己肯定感(自分は自分であっていいとする感覚・自我)が、学習面、生活面、友人関係の積極性と関係していると重視しています。

(阿部)
子どもが自己肯定感を持つためには、乳幼児期に特別な大人と一対一の関係を持つことが非常に大切であることは、よく知られています。自分に愛情を注いでくれる人がいることで安心感を得て、自分の存在の肯定につながるのです。少し大きくなってくると、例えば積み木のおもちゃで何かを作り上げた時に褒められる経験をすると、達成感を得て、チャレンジ精神ややり遂げる意欲を身に付けていきます。しかし、貧困家庭に育つ子は親が生活に追われていて、子どもとゆったり接する余裕がないため、このような経験がほとんどないままに育ってしまう傾向があります。その結果、自己肯定感が低く、学力も低いまま「どうせ自分は頭が悪いから」などと自己否定してしまうのです。乳幼児期の貧困が後々まで一番影響が強いのはこのためです。

家庭の経済力が子どもの学習力と密接に関係していることは、学校の先生方は早くから「常識」にしており、放課後の学習支援や生活支援を工夫してきました。
家庭訪問や学級通信なども手立ての一つです。しかし近年では学校ボランティアに参加する学生や一般市民による放課後学習支援教室などが活発化しています。

政府の貧困対策大綱もこのような、学校支援を援助する方向からなされています。そこでさらに子どもの貧困と学校、市民社会はどう向き合うのかが問われています。関西こども文化協会も早くから行政ともタイアップしつつ子どもや若者への生活、学習支援に取り組んできました。これらの事業から得た経験値をさらに今後の取り組みに活かしたいと思います。

ここで、阿部さんが調査した2009年は我が国の平均年収(250万)の2分の一(125万)以下を貧困家庭としていましたが、2012年にはさらに平均年収が減少し122万円になり、子どもの貧困率が16.3%と過去最高になりました。

世界の平和との関係で子どもの居場所を考えよう

子どもの貧困の問題について考えてきました。しかしここでもう少し大きな社会や政治の問題との関係で考えてみたいと思います。2015年度の基本方針はこのあと具体的に述べますが、もうひとつその前に問題提起しておきますので、ご検討いただければ幸いです。

政府は「集団的自衛権行使」を国会にはかることもなく閣議解釈で変更したことはご承知の通りです。いま、政府はその立法化に向けた法案整備を強引にすすめ、「戦争のできる国」に日本の針路を切り替えようとしています。
子どもの最善の利益の前提は、言うまでもなく戦争ではなく平和という環境が保障されることです。自衛隊の海外出動をフリーにするような国策では、子どもの安全安心すら守れない状況に陥ることは目に見えています。

したがって、NPOの多くが子どもの居場所問題に取り組んできましたが、「居場所」の必要性をただ単に子どもの世界の問題に限定するのではなく、子どもを取り巻く世界と政治の状況との関係で、広く議論できるフォーラムが必要となっています。市民社会の在り方とも関係させて子どもの育ちや将来を考えることが極めて大切になっているのです。

国の形をかえる「集団的自衛権」の問題は、市民社会の在り方を変え、同時に子どもの生活世界と未来に関わる環境問題とも関係しています。

今年度の具体的な方向性

  1. 子どもが育つ環境基盤整備を進めていくため、今年度の事業計画においては、企業や行政との協働事業をらに充実させるとともに、子どもの権利が実現する社会のあり方を積極的に社会にアピールしていきます。(子どもの権利条約の社会化)
  2. 10代の子どもの居場所(ティーンズスペース)事業、非行の子どもをもつ親の会(陽だまりの会)、北星余市高等学校支援事業、サテライト事業、24時間電話教育相談に直接寄せられる子どもの声を受け止め、子どもと家族への幅広い支援に取り組みます。
  3. 24時間電話相談事業、つどいの広場事業、大阪市不登校児童通所事業など各事業の充実のために、いままでの取り組みの成果をまとめる作業をすすめます。
  4. 放課後児童支援員認定資格研修事業について日本学童保育士協会ならびに大阪市教育振興公社とも連携して研修テキストの作成並びに充実した研修活動に取り組みます。
  5. 情報化社会に生きる子どもへの支援事業、SNSの活用と対応、Eラーニングなどの事業に新たに取り組みます。
  6. 若いスタッフの成長を支援します。若者の力が発揮でき広がるNPOに努めます。昨年に続いて海外(ドイツ)へ職員を派遣し、海外の子ども支援の事例に学び、事業の継続・充実を図ります。
  7. 理事をはじめ会員の方々の専門性や持ち味を生かした活動を組織するとともに、理事、会員のみなさまの活動内容を随時紹介し文化協会のメンバーシップを高めるよう努力します。担当理事を中心にインファーの充実と拡大、HPの充実を図ります。
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